アツモリソウ 敦盛草

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山梨県南巨摩郡 ・6月10日撮影

 

日本の野生ランの代表 

アツモリソウは、日本の山野に自生する野生ランの代表といってもよいだろう。6月ごろに山の草地に咲く紅紫色の花は、直径5cmくらいにもなり、形も丸い袋状で変わっている。
この丸い袋状の唇弁といわれる花の部分が、平敦盛が背負った弓矢よけの母衣(ほろ)の形に似ているところから、その名がつけられたという。
源平の一ノ谷の合戦で最期をとげた悲劇の武将平敦盛は、まだ年若く、このアツモリソウの美しい花にも、紅顔の美少年の敦盛を思わせるものがある。一方、敦盛を討った源氏の熊谷直実は、年配の男性的な武将であり、やはり同じ日本を代表する野生ランのクマガイソウにその名を残している。
いずれの花も独特な形と美しさから、山野草家に人気が高く、乱獲されて野山ではほとんど見かけられなくなってしまった。

(2001.6.6更新)

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