ドクダミ

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 東京都内・6月10日撮影

十字の十薬

駅前の坂道は、両側に大きな桜の木が立ち並び、ちょっとした桜並木になっている。その桜の木の下の斜面には、いま一面にドクダミの花が咲いている。朝に夕に、あわただしく行き過ぎる人たちは目もくれないだろう。うつむき加減にその坂道を上り下りする人だけが、はて何の臭いだろうと気づいているのかも知れない。

ドクダミは、近づくだけで独特の悪臭が漂ってくる。しかも日陰の湿った所に生えているので、嫌われ者になっているようだ。しかし、その花は純白の十字形で、真ん中に立ち上がった黄色い花の穂とのとり合わせは、ほかの花にはない魅力が感じられる。清楚で美しい花だと思う。

ドクダミの別名は十薬(じゅうやく)といい、十の薬効があるという注目の薬用植物でもある。化膿性のはれもの、利尿、便通、高血圧予防によいとされている。乾燥させたものをお茶がわりや薬湯にしても楽しめるそうだ。
数年前に軒下に干して作ってみたことがあったが、見事にカビさせてしまった。これから梅雨時に入るから、やはりまめに手をかけなければだめなようだ。
最近は、そんなめんどくさいことがいやになり、もっぱら黄色いラベルのリゲインがお気に入りである。

   (2000.6.6)

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