シラネアオイ 【 白根葵 】

 
長野県北安曇郡小谷村 栂池・7月4日撮影

 

目を瞠る優雅な気品

日本の野山に咲く花の中で、最も美しい花をひとつだけ選ぶとするのなら、このシラネアオイの花を挙げる人は意外に多い。
深山の林の縁や高山の雪渓のそばに生え、5〜7月ごろに淡い紫色の花を咲かせる。草丈は40cmくらいだが、花の直径は7cmほどもあり、大きい。
山でこの花に出会うと、一瞬はっと目を瞠る。これほどまでに優雅な気品をそなえている花を知らない。日本だけの特産種で、しかも1科・1属・1種という貴重な種類だという。。
地球上にまだ雪や氷が多かった数千万年前から生き続けてきた原始的な花なのだろう。同じなかまはすでに1種類もいない。孤高の花である。美しさの秘密はそのへんにもあるのかもしれない。

(2001.6.29更新)



表紙・Topへ
(最新/New)    バックナンバー 花手帖1(1月〜6月の花)  花手帖2(7月〜12月の花)

inserted by FC2 system