ヒメジョオン 【 姫女苑 】

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長野県北安曇郡 ・8月4日撮影

朝露に輝く

夏の朝は、なぜか早起きになる。朝露のおりた草むらはきらきらと光り、静かに夏の一日が始まろうとしている。そこには雑草たちの小さな世界が垣間見える。白い花はヒメジョオン。明治のはじめに渡来し、みるみるうちに全国に広がった。北米原産の帰化植物も、このときばかりは可愛らしい。よく似た花を春に咲かせるハルジオンは、大正年間に日本に入り、いまや都会の空き地から田舎の道ばたや田畑にまで侵入している。姉さんのヒメジョオンは少しずつ野山に追いやられている。帰化植物の世界にも、やはり勢力分布の趨勢があるようだ。でも、一日の始まろうとする朝は、どうしてこんなにも美しいのだろう。

 

 それにつけても、長く苦しい旅だった。たとえ2週間とはいえ、それのない生活や仕事はもう考えられないことを思い知った。そう、PCがダウンしたのであります。なんせ、いまだWin95ですから、買い換えどきであることは百も承知していた。でも、恵まれないオヤジは、じっと我慢の子なのです。というより、増設したハードディスクの中身をなんとしても取り出したいというか、復旧させたかった。もちろんおもなテキストはだいたいバックアップはとっていたのだし、重たい写真画像は全部パーになるとはいえ、フイルム原版はあるのだから、決定的なダメージではないはずだ。それなのに、なぜか諦めきれなかった。にわかに貧乏人根性が現れたのだろうが、ここまで使ってきたPCやデータを捨てるのが口惜しくて、意地になってしまったようだ。とにかく、自力で金もかけずに直してやる!と決めてしまったのである。それが長く苦しい旅の始まりだった。
そもそも原因は、PCの中があまりにもゴチャゴチャしてしまったので、整理ついでにわけの分からない変なファイルも捨てたのだが、そこが素人の悲しいとこ。大事なシステムファイルも消したもよう。だって、オラ神様に誓ってなんにも悪いことなんかしてねえのに、「このプログラムは不正な処理を行ったので強制終了されます」と、そればっかり出るんだもん・・・。以後、OSがまったく立ち上がらない。ハレーまたやってしもたと、パニックである。サポートは受けられないだろうとは思っていたが、困りに困ってマ社にとりあえず電話したが、1日中掛け続けても話し中で結局出ねえってどういうことだ? 倒産したのか? 我がPCの先生が送ってくださったマ社の資料など見ながら、夜毎いじり回したのだが、やはり素人では、難しすぎて歯が立たねえ。Ctrl+Alt、Deleteキーの押し方ばかりがうまくなる。
我が街にもPCショップはあるのです。以前、出張サービスでお世話になった、駅前の九○九電気です。あの頼りになる兄ちゃんいるかな? とのぞいてみると、「○○は先月で退社いたしました」と。わおー! 世の中変わっているんだ。でも、ここで引き下がったら男がすたる。レジの姉ちゃんにやんわり絡んでいくと、「少々お待ちください」とダークスーツの男が立ち現れ、オイラ客でもないのに実によく聞いてくれ、親切に教えてくれる。でも、この情熱の人、声がデカクて、話のテンションが2オクターブくらい高い。とてもついていけない。店中に響きわたる声で説明されると、こちらがこっぱずかしくなり、逃げ出したくなる。最後に名刺もらったら店長さんでした。前の店長さんとは正反対だね。でも、これだけ熱心で親切な人は、ヨド○シカメラにはまずいないだろう。関係ないけど中野のフジ○カメラには一人いるな。話はそれたが、要するに、Windowsの再インストールが完了できず、OS自体が立ち上がらないのである。立たないときなんて、まあそんなもんかもしれない・・・・。ふぬっ? ここで、エネルギー切れ、飲みに行きたくなった。つづきはまた明日ということで・・・。

(2002.7.8更新)

(つづきです)  Windows95の再インストールを、いろいろとやり方を変えて試したが、何度やってもダメ。我ながら感心するのだが、10回以上はやったと思う。Windowsのファイルのコピーは完了するのだが、その後の「コンピュータの再起動とWindowsの環境の作成」に入ると、すぐさま例の憎き「このプログラムは不正な処理を行ったので強制終了されます」が現れ、万事休すとなる。
かくなるうえは、富士通のサポートセンターしかないなと、電話。ここもなかなか通じないのだが、2時間ほどちょこまかかけていたら、意外にはやく通じ、向こうから電話が来た。ひと通り状態を話すと、やはり対応は丁寧というか、慎重で、ではSafeモードから立ち上げてみてくださいと言う。???わからん! おタッチおじさんにもわかるように指示してくれ。電源を入れたら、starting windows95の文字が出ている間にF8を何回もトントントンと押すんだと、そりゃ連打だな、わしの得意技だよ。アクセスカウンターなんかよく連打して歩いているからな。そして、3のSafeモードで起動。うまくいくかと思いきや、ガーン! やはり憎き「不正な処理・・・強制終了されます」が現れた。ここでサポートのお兄さん、急に声が弱々しくなったような気がした。Cドライブのフォーマットをしてからインストールをするしかないのだそうだ。でも、わしがもらったマニュアルにはそんなフォーマットのことなんかこと一言も書いてないぞ。95の初期モデルはずいぶん短期間に急いで製造したんだろう。そういえばパソコン買ってから何度も修正のCDやフロッピー、マニュアルの正誤表も送られてきたような気がする。
すみませんが、Cドライブの中身はすべて消えますが、それでやってみていだだけますか、お兄さんなんとなく低姿勢なのであった。でも、さすが大手、丁寧で、きちんとしていて、助かった。

増設したハードディスク、SCSIボード、プリンターもスキャナーもすべてはずし、cドライブのフォーマット、そして95の新規インストールを決行。ときどきファイルが見あたりませんなんてパソコンが言ってきたが、もう半分どうでもいいから動くようになってもらいたいんで、そこはスキップ、スキップ、ランランラン。意外にあっさりインストールは完了した。一応動くようにはなったのだが、真っ白で何もつながっていないパソコンって、冷ややかでそらぞらしいほどの単なる箱だった。
本当のことを言えば、これから後が地獄だったのである。ドライバーやアプリケーションのインストール(ここまでは楽勝)。HDやSCSI、プリンターやスキャナーの接続と設定。これらは今どきのパソコンならつなぐだけで自動的にやってくれるのだろうが、95ではそうはいかない。おまけになかなか認識してくれないのである。この辺の作業は、わがパソコンの先生S氏にすべてやってもらい、私は横で見ていただけだったのだ。ネットの接続も全然うまくいかねえ、いい加減いやになった。自動接続のCDでももらってきて、新しいプロバイダーかADSLにでも乗り換えようかとも思った。しかし、but、初志貫徹なのである。最大の難所はISDNのターミナルアダプタの接続と設定だった。これも電話の工事業者に無理矢理丸ごと引き受けさせたので、全然わからん。意味なんて分からないまま、ただひたすらマニュアル通りにひとつずつ先に進むしかない。うまくいかなければ、疑問に思った点だけ変えてまたやってみるといった、原始的な試行錯誤で、まあ頭の薄くなったサルがパソコンの中いじくり回してるようなものだった。しかし、毎夜、少しずつ、一歩ずつクリアーし、ついに日曜日の夜、くしくも七夕の夜(ぜんぜん関係ないって)、すべては完了したのである。やった!という喜びや達成感なんかなんにもねえ。ただアホらしいことを意地になってやっただけだった。要するにパソコンに徹底的に振り回されただけなのである。クソッ。でも、たった一つ、教訓を残した。それは、「貧乏は力なり」だった。
世の中より、およそ5,6年遅れたWindows95悪戦苦闘記でありました。御粗末。

(2002.7.9更新)

 

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