マイヅルソウ 【 舞鶴草 】 

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新潟県妙高村 妙高山 7月23日・撮影


葉を舞う鶴に見立て

日本の植物の垂直分布は、標高の低いほうから、低地帯(丘陵帯)、山地帯、亜高山帯、高山帯と分けられている。
低地帯はシイノキやカシなどが生える常緑広葉樹林で、山地帯はブナやミズナラに代表される落葉広葉樹林、そして亜高山帯はコメツガ、オオシラビソなどの高木が茂る常緑針葉樹林である。さらに上部の高山帯はいわゆる森林限界を越えた高山草原で、樹木はハイマツに代表される。
中部山岳地帯だと、山地帯はだいたい標高500〜1500m、亜高山帯は標高1500〜2500mくらいにあたる。
なにやら理科のお勉強をしてしまったが、山の植物について話すときは、まずこれをやっておかないと、話がうまく伝わらないどころか、こんがらがってグチャグチャになってしまう。
要するに何がいいたかったかというと、このマイヅルソウは亜高山帯の針葉樹林の下に生える植物の代表といえるということ。
夏山登山では、この樹林の中の登りがいちばんキツイ。でも、静かで、昼でも薄暗い林の中でこの白い小さな花を見かけると、森の気にゆっくりと気分が落ち着いていく。そして、だいぶ標高を稼いできたことを知り、一休みすることになる。
葉の形を、翼を広げて舞う鶴に見立てた名で、高さは15cmくらいで小さいが、夏山登山をする人にとっては、まず出会うおなじみの花といえる。

(2003.7.17更新

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