モウセンゴケ 【 毛氈苔 】

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新潟県 平ヶ岳 7月19日・撮影

虫を食う草

地に生え、移動することさえできない草が、空を飛ぶ虫を捕まえて食べてしまう。なんという常識を超えた草なのだろう。そんな草のことを知ると、はじめは驚き、やがて感心させられ、ついにはどことなく気味悪くなり、恐ろしくなる。やはり自然の掟を破った異端の草であるが故なのだろうか。
モウセンゴケは、日本全域の低地の湿地や高山の湿原に生え、食虫植物の代表といってよい。直径1cmほどの葉のまわりには粘液を出す赤い腺毛が密生していて、この腺毛に捕らえられれば、虫は自由を奪われ、立場と状況は見事なまでに逆転する。やがて消化液が分泌され、虫の体は植物によって確実に消化・吸収されてしまう。トンボはその事態をまったく理解できないまま静かになってしまったかのようだ。水平に広げたままの翅がそれをよく物語っている。
写真の、茎の先についているのは、つぼみで、やがて小さな白い5弁の花が咲く。

*東北北部の山は、和賀岳、森吉山、白神岳を登り、無事帰ってきましたが、、、つっついに捕まってしまいました……。30kmオーバーで免停です。ああ、泣。

2003.7.24更新

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