夏の朝露にぬれて咲く
夜行列車と登山バスを乗り継いで、やっと麓の登山口に着く。早朝の山の空気が清々しい。しかし肩の荷はずっしりと重い。渓流ぞいの山道を黙々と歩く。鮮やかな赤い花が群落をなしている。
夏山に来て、最初に出迎えてくれるのは、このツリフネソウのことが多い。重いザックをおろして、かたわらの花をじっと見る。その形はおとぎ話の小人が乗りそうな釣舟に似て独創的だ。釣舟草の名もこの花の形からきているという。ホウセンカに似ておもしろい花だなあと感心しているうちに、体か生き返る。さあ出発だ。
(2002.7.8更新)