ハナイカリ 【 花碇、花錨 】
長野県鉢伏山 8月30日・撮影(2003.9.18更新)
花が船の碇になんとなく、特に当てもなく出かけてみると、いつもとはちがった花に出会えることがある。そんな出会いは、さりげないけど、味わいがあり、いつまでも忘れられないような気がする。このイカリソウの花もそうだった。
イカリソウは、日当たりのよい山の草原や高原などに生え、8〜9月ころに淡黄色の花を咲かせる。草の高さは20〜60cmくらいになるが、この写真を撮った鉢伏山は標高が1929mと高いせいか、せいぜい20cmくらいしかなく、しかも枝分かれもしていなかった。小さくて可愛らしい姿だった。
花のつくりは、花冠の元のほうから、距という細長い筒が4本突きだしている。ずいぶんか変わった形をしているが、これが船の碇に似ているので、その名がついたという。
春に花の咲くイカリソウはメギ科イカリソウ属で、このハナイカリはリンドウ科ハナイカリ属なので、なかまが全然ちがうし、あちらの再春薬効はなさそうである。