カリン【花梨】

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長野県北安曇郡 11月・撮影


カリンとマルメロ談義

この果実はカリンである。決してマルメロではない。ところが、信州人はこれがマルメロでカリンは別のものだと、頑固に言い張る。この写真を撮っていたときも、えらい苦労した。つい口を滑らせて、これがカリンですよね、なんて言ってしまったが最後、いやちがう、これはマルメロちゅうもんで、カリンはもっといい香りがするせ、ときた。いやあ、ヤバイな、と思ったが、信州ではカリンとマルメロをなぜか逆に呼ぶんですよね、なんてつい余分なことまで言っちゃった。そしたら、血相変えて、とんでもねえ、日本国中、世界中の人が逆に呼んでいると言わんばかりに、オランほうの呼び方が正しいせ。と、頑固一点張りで、頭はカリンの実ようにカチンカチンに固くなっていて、トクトクと説明してくれるのである。確かに説明は合っている。だが、それがまったくの逆なのである。ああ、困ってしまうのであるよ。なるほど、そうだったのですか、これがマルメロなんですね、いい勉強になりましたと、こちらが言わないかぎり、えんえんと説明と説得が続き、終わらないのである。
長野県人で読んでくださってる方がいらっしゃるようなので、一言お断りしておきますが、私は信州も信州人も大好きで、第二の故郷だと思っているくらいですから。理屈っぽいところも、生真面目なところも、根気強いところも大好きです。ホント。でも、あの頑固というか頑迷なまでの固さは、どうしてなんでしょう、静岡県人としては困っちゃうのですね。
最後に一言、カリンの果実には毛がなくてつるつるしていて、マルメロの果実には白い綿毛が生えている。イラン、トルキスタン地方原産で、信越地方でよく栽培されているのは、マルメロです。よろしく。(^o^)

(2003.11.30更新)

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