晩秋の庭で 小菊の花が咲いている。毎年、この時期になると決まって薄ピンク色の小ぶりの花を咲かせる。台所の戸口のすぐそばに植わっているので、朝などガラスごしにじっと眺めている自分に気づく。この花の咲く時期がまたやってきたかと、つくづく思う。庭を見る人は、どこか遠くを見ているようで切ない。花は、秋の陽射しを一身に受け、鮮やかで、可愛らしく、よい香りさえ放っている。なのに、やはり悲しいまでに美しい。 （２００３．１１．１０更新）