ヘクソカズラの実  屁糞葛

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山梨県南巨摩郡 ・12月撮影
 

艶やかな臭い実

冬枯れした野の藪や林の縁などで、ヘクソカズラの実をよく見かける。蔓はほかの草や木に巻きついたまま枯れ、直径5mmほどの薄茶色の実をたくさんつけている。実は弱い冬の日射しを受けてつやつやと光り、この一年の営みにささやかに満ち足りているかのように見える。
ヘクソカズラは、夏から秋に、筒形の長さ1cmほどの白い花を数個ずつ咲かせる。花の内側が赤紫色に染まり、とても可愛らしい花なのだが、花や葉をもんでみると、なんともいいようのない臭いにおいがする。そのためヘクソカズラ(屁糞葛)などという凄まじい名をもらっている。実にも乾いたような悪臭がある。
きれいな花にかわいそうだと、サオトメカズラという美しい別名がつけられたそうだが、なぜかそう呼ぶ人はほとんどいない。むしろ、このときとばかり、 やけにはっきり「ヘ・クソ・カズラ」と呼ぶ女性が多いような気がする。汚い言葉や悪い言葉を平然と堂々と使えるのは、ある種の快感なのだろう。

(2002.12.7更新) 

 

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