クマザサ 【 隈笹 】

12KUMAZASA-M.JPG - 37,075BYTES

東京都神代植物公園 11月26日・撮影

勘違い

思い込みというものはおそろしいものだ。私はかなり長い間、このクマザサのことをてっきり「熊笹」だとばかり思っていた。熊でも出てきそうな山によく生えているからだろう。ところが、冬に葉のまわりに白い隈ができるから「隈笹」なのだそうだ。それを図鑑で知ったときは、にわかに信じがたく、ウッソー、この図鑑は間違ってる、なんて、本気で思ったくらいだ。おまけに、さらに昔には、山で見かける葉の大きめな笹はみんなクマザサだとばかり思っていた。いまから思うと恥ずかしい限りだが、ほかのことでもいまだに同じような勘違いや知らないことがたくさんあるのだろうから、えらそうなことはいえない。
クマザサは本州西南部に自生して、高さは1〜1.5mくらいある。太平洋側の山では、姿が似ているが、高さが0.3〜
1mくらいで、葉がやや細目のミヤコザサ(都笹)が生えている。ミヤコザサも冬に葉の縁に白い隈ができるので間違いやすい。クマザサの葉はやや厚く毛が生えていないが、ミヤコザサの葉は薄いのに特に裏面に細かい毛が生えている。また、クマザサは枝分かれし、節は膨らんでいない。笹の仲間の見分けは、意外にササッといかないのである

(2003.12.3更新)

 
表紙へ    花手帖1(1月〜6月)  花手帖2(7月〜12月)
 
inserted by FC2 system