長野県穂高町有明 1月25日・撮影
林檎園
冬の林檎の木は、静かに佇んでいる雪が降れば雪を枝にのせたまま、身動きもせずに休んでいる木々たちは、言葉さえかわさず、凍てつく寒さにむしろ誇らしげに包まれている秋に赤い実をたわわにつけ、しなるほどに曲がった枝は、いま、のびやかに己を解き放つているでも、林檎の木は、雪の中で記憶をあたためているのだろうだから、夢見るように待つことができる突如、劇的に、しかし予定されたものとして訪れる萌える新緑と、そして白い花々の大洪水を…
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