初夏の高原で
山の湿原や高原などに生える落葉低木で、高さ5mくらいになる。5〜6月ころにリンゴのような白い5弁の花を木いっぱいに咲かせる。でも、花の直径は2〜3cmほどでだいぶ小さい。花はつぼみや咲き始めのころは赤みを帯びているが、咲ききると白一色になる。可愛らしい花である。別名をコリンゴとか、コナシと呼ぶ。
今朝、テレビで、新緑の日光戦場ヶ原のようすを中継していた。ワタスゲやズミの花が咲き始めているそうだ。チンゲンサイと肉の炒めものを大急ぎで作りながら横目でちらちら見ていたので、詳しくはわからなかったが、ふと懐かしい思い出がよみがえった。
あれは今から20年以上前、ある写真の会の撮影会で新緑の戦場ヶ原に連れて行ってもらったことがあった。これがいわゆる遠出する撮影会というものの初めての経験だったような気がする。まだ一番末の子が生まれる前のことである。下の木全体の写真はそのとき撮ったものだ。6×6判のブロニカで夢中になって、得意になって撮った記憶がある。古い写真で恐縮だが、記念に日の目を見せてあげることにしよう。
この中型カメラは、就職して最初のボーナスで思い切って腹切って買ったカメラだ。この1台を持っているだけで、当時はずいぶんカメラマン気分にさせてもらったものだ。でも、いよいよ今月あたり、この思い出のカメラも手放さなければならないだろう。いくらになるかは知らないが、オークションで売り飛ばすことになりそうだ。いろいろなものが、ひとつひとつなくなっていく。指の間からこぼれるように消えていく。いっとき切なく感じるが、しばらくすれば、なくなったことさえ忘れている。だから、昔のいろいろな出来事など、まるで夢まぼろしのようだ…。
(2004.6.4更新)
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