ミネザクラ 【 峰桜 】 その2




福島県檜枝岐村 尾瀬沼 6月4日・撮影

尾瀬沼ヒュッテの横から,テント場に入っていく道のわきに,ミネザクラの木があり,花がちょうど咲いていた。尾瀬沼のまわりは今まさに春だった。木の高さが2mくらいで,枝が道に張りだしているので,写真はとても撮りやすかったが,そのぶんただ撮っただけの写真になってしまった。花は下向きに咲き,花柄や萼筒に毛が生えていないが特徴。尾瀬で見られるサクラは,このミネザクラのことが多いが,思わぬところによく似たチシマザクラが咲いていたりするから悩ましい。
このミネザクラの木はまだ若い木だったが,木道に近すぎてというか,木道を木の近くに作りすぎたのだろう,いや登山道の木道は1mたりとも位置は変えられないのかも知れないが,すでに枝先がちょっと通行のじゃまになっている。だから,いずれは枝が折られたり払われたりするだろうし,いつかは切り倒されてしまうかも知れない。すべてウッドデッキ式になって新装オープンした立派なテント場を見たら,往時のようすを知っている者にとっては,そんな危惧も単なる危惧ではないことが容易に想像できた。きれいなテント場に整備されるのはよいことだ。だが,正式名称は尾瀬沼キャンプ場だという。そこに水場も炊事場もトイレもないのはどういうことなのか,理解に苦しむ。特に遠い距離ではないが,ちょっとはなれた下の公衆トイレまでぐるっと回って行かなければ,どちらの用も足せない。残飯やゴミは一切出さない,すべて持ち帰る。食器も水で洗わない。ここまではオイラでもわかる。かなり実行している。でも,夜中のオシッコだけはどうすりゃいいのさ思案橋だよ。暗い夜道をただひとり,懐中電灯たよりに100円払うトイレに行くかい? 行けるかい? この日のテントはたったの3張りだったが,不思議なことに,いや不思議でも何でもないのだろうが,全員中高年というか年寄りばかりだった。平日に若者や家族連れが尾瀬にキャンプに来るわけがねえ。これからは日本国中どこへ行っても,変に元気な年寄りばかりなんだ。そんな年寄りは,どうしても夜中にオシッコに行きたくなるのだ。夜中のオシッコはゼッタイ我慢できないのだ。となると,寝小便漏らすしかないか? 懐かしいなあ!(アホ) 悲惨だな! そうだ,老人用オムツを持って行けばいいんだ。 ああ,惨めだなあ! わしゃあそんなことまでして山へ行きたかねえ。
蛇足ながら,ミネザクラは別名をタカネザクラ(高嶺桜)ともいう。でも,名前は2つおぼえないほうがよい。必ず混乱するから…。


ミネザクラ その1
(2009.6.26更新)

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