ハマナス 【 浜茄子 】




北海道小清水原生花園 7月下旬・撮影

北国の夏の海岸を彩る

北海道網走に近い小清水原生花園の夏は,ハマナスの赤い花でいっせいに彩られる。♪知床の岬に…♪と歌い出す「知床旅情」の歌で,ハマナスの花を思い浮かべる人も多いだろう。ハマナスは高さ1〜1.5mくらいになる落葉低木で,海岸の砂地に群落をなす。深い赤紫色の花は直径7cmくらいで,6〜8月ころに咲き,青い海と空に映える。また,夏の潮風を受けて,それは上品なよい香りを漂わす。
北海道の花というイメージは強いが,実際には太平洋側では茨城県,日本海側では島根県までの海岸に分布している。最近は,海岸の公園や高原の湖畔などにも観光目的で植えられたりしていて,意外なところで見かけるので,びっくりさせられる。もともとの植物名はハマナシ(浜梨)で,それが東北訛りでハマナス(浜茄子)になったといわれている。
 潮かをる北の浜辺の砂山の かの浜薔薇(はまなす)よ今年も咲けるや (石川啄木)
(2006.7.3更新)

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