イワオウギ 【 岩扇 】



長野県 白馬岳 8月16日・撮影


白馬岳の稜線から東側の大雪渓側の谷には,この高山植物が点々と生え,群落をなしていた。花は黄白色で,目立つわけでも,特にきれいというわけでもないが,高山の岩礫地にこういう花が一面に咲いているのを見ると,なんともいえずいいなあと感じる。なにげなく,当たり前のように咲いている花は,なぜか落ち着くというか,ほっとする。今年の夏は白馬岳で悲しい遭難事故があった。大雪渓上部で,豪雨によって大規模な土砂崩れがあり,2名が亡くなり,1人が行方不明になっている。「雨が降ったら山へ行こう」は,昔から山岳カメラマンの合い言葉だった。なぜなら天気が劇的に回復するその瞬間こそ絶景が期待できるからである。だが,最近の局地的豪雨は,都市でも山でも半端じゃない。だから,雨のうちに山には入ろうとすると命を落としかねない。やはり大自然は怒っているのだろう。
今年はついに夏山登山に行けなかった。夏の初めに,安曇野の有明山に登っただけだった。ちょっとさびしい。体調はそれほど悪くないが,懐も気持ちにも全然ゆとりがない。どげんかせんといかん。でも,そうだ,よいことがひとつだけあったな。「髪の毛がふさふさしてきたみたいだけど,何かしてるの? ねえ,いくらかかったの?」と,くしくも2人3人(増えた)の人に言われた。(^^)。




長野県 白馬岳 白馬大雪渓の最上部を稜線より見る 1992年8月15日・撮影

(2008.8.31更新)


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