ヒガンバナ 
【 彼岸花 】  2014.9.25更新



東京都八王子市 小仏城山 9月23日・撮影


おはぎ

秋のお彼岸だというのに、墓参りにも行かず、山へ行った。というのは、久々にすごくいい天気になったからだ。今年の夏は準備だけはやたらちゃんとしていたのに、天候が悪かったり、野暮用が続いたりで、結局1回も登山に行けなかった。そのせいか、どことなくフラストレーションがたまっているような気がした。それを少しは晴らそうと、山へ行った。とはいっても、近くて楽で毎度おなじみの高尾山である。でも、薬王院にお参りすれば、少しはお彼岸らしくなるのでは、なんてこじつけて行ってみた。
1号路を登り、紅葉台で遅い昼の弁当を食べ、下りは小仏城山を経て日影沢を下った。城山の頂上には、季節を違えず、ヒガンバナの花が一面に咲いていた。ヒガンバナという花は、天候不順であろうがなんであろうが、お彼岸には必ずちゃんと咲くから不思議だ。もう夕方で、人も少なく静かだった。赤い花を見ながら手を合わせ、故人のご供養のまねごとをさせてもらった。
お彼岸の日の手作りのおはぎは本当においしかったなあ。大好きだった。兄弟で取り合うようにたくさん食べたなあ。仏さんから下げたのが、これがまたなぜかうまいんだなあ。「もういいかげんにしな」とよく言われたものだ。
はるか昔のことを思い出しながら、ひとり夕暮れの日影沢林道を下った。店じまいした茶店の軽トラがわたしを追い越していく。夕闇の中に長い長い時間が思い出とともにとけこんでいった。黒々とした森は、沈黙していた。森も闇も、何も言わず、静かにわたしを見つめているような感覚がした。

ヒガンバナの説明
(2014.09.25更新)




表紙・Topへ(最新/New)     バックナンバー 花手帖1(1月〜6月の花)  花手帖2(7月〜12月の花)
inserted by FC2 system