セイタカアワダチソウ【 背高泡立草 】



山梨県 南巨摩郡 10月23日・撮影

繁殖の秘密は発芽抑制物質だった

 セイタカアワダチソウは、日本の秋の風景を一変させた植物としてよく知られている。黄色い穂のような花が河原や空き地を一面に埋めつくし、従来から生えていたススキなどを追いやってしまった。北米原産の帰化植物だが、戦後ものすごい勢いで日本中に広がり、花粉症の元凶だと騒がれたりもした。でも、この花は虫媒花で、花粉をそれほど飛ばすことはなく、どうやらそれは濡れ衣だったようだ。
 それにしても、なぜあれほどまで急激に繁殖できたのか。それは、根や地下茎から種子の発芽を抑制するアレロパシー物質(ポリアセチレン化合物など)を分泌し、他の植物だけでなく自分の種子も発芽できないようにしているからだという。地下茎で勢力を維持し続けてきたセイタカアワダチソウから、近年は再びススキが失地回復をしている。黄色い大群落は,一時期ほどは見かけなくなった。汽車で旅をするとそれがよくわかる。帰化植物の繁栄にも,栄枯盛衰は付きもののようだ。
 似た植物には,夏に黄色い花の咲くオオアワダチソウがある。
(2007.10.17更新)

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