キバナノレンリソウ 【 黄花ノ連理草 】

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滋賀県 伊吹山 6月中旬・撮影・撮影

連理の枝

先日、ヒヨクソウ(比翼草)を載せたので、やはりあわせてレンリソウ(連理草)も載せなければと思っていた。だが、写真がなかなか見つからない。こういうことはよくある。整理が悪くて見つけ出せないということもあるだろうが、ここはそういうことではなく、要するに撮ったつもりになっているということである。あのとき、あそこで、確かに撮ったことがあるぞと、思い込んでいるのである。思い込みというものは始末が悪い。自信をもって、どこまでも探し続け、結局見つからない。結果が現実となってもろに自分にはね返ってくるから、ひどい目に合う。
まあ、まるっきりの妄想だったらかなりヤバイけど、たぶん似た花を撮ったとき間違ってそう思い込んでいたり、やっと見つけた花を、もう咲き終わってしおれかけていたり逆にまだ蕾だったりしたのに、感激のあまり、あたかも最盛期のきれいな花を撮ったかのように思い込んでいたりするのだろう。また、ぜひ撮りたいと必死になって探し歩いた経験が、長い間にあたかもその花の写真を撮ったかのように記憶されていることも、時としてある。
要するにくどくどと書いたが、何が言いたいかというと、記憶はかなり捏造されているということ。そして、そこに至る思考でさえ、自分に都合のよいように恣意的であるということ。かつてはそんなこと絶対にないと思っていた。でも、最近は、とても素直にそう思える。謙虚です。記憶はあまり信じられないというか、少しは疑ってみる価値があるというか、おかしいなと思ったら一度は自分のほうを疑ってみようねと…。
まあ、そんな経験を何度となく積み重ね、記憶は信じないほうが無難だ考えるようになる。でも、そういう思考も、もしかしたら恣意的につくられているのかも知れない。そう思いたいからそう思い、そう考えているのかもしれないぞ。いよいよ始まったかな…。でも、毎朝目が覚めると、布団の中で腹筋20回はやってるんだが。それは関係ないか…。

キバナレンリソウは、マメ科の蔓植物で、5〜9月ころに濃い黄色の花を咲かせる。花の長さは約1.6cmで、つるは1mくらいまで伸びる。その名は、巻きひげが横の茎にからみついて連理になるからなのだろうか、それとも花が横に並んだように咲く姿からだろうか。伊吹山に見られるユーラシア原産の帰化植物で、たぶん秀吉のつくった薬草園に持ち込まれて、そのまま今も住みついているのだろう。
レンリソウの花は赤紫色。

(2004.6.29更新)

 

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